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《 2018.9.10 》

介護福祉士の養成校、入学者が過去最少を更新 外国人は倍増 全体の16.6%に


介護福祉士を育てる専門学校や大学などの養成校へ今年度に入学した人が6856人にとどまったことが、日本介護福祉士養成施設協会のまとめで10日にわかった。昨年度から402人減。これまでで最も少なくなっている。
 
協会によると、全国の養成校の数(課程数)は昨年度の396校から386校に減った。生徒がなかなか集まらないことなどを理由に、募集をやめたり過程を廃止したりしたところが10校あった。全国の定員数は385人減の1万5506人。充足率は44.2%で、いずれも過去最低を更新している。

《 介養協まとめ 》

外国人の留学生は急増した。591人だった昨年度のおよそ2倍にあたる1142人が入学。全体に占める割合は8.1%から16.6%まで上昇した。
 
留学生の人数を国籍別にみると、最も多いのはベトナムの542人。以下、中国の167人、ネパールの95人、インドネシアの70人と続いている。上位3ヵ国は昨年と同じ順位。今年度はインドやスリランカ、モンゴル、カンボジアなどからの来日が増えるなど、留学生の多様化が一段と進んでいる。
 

「就活の売り手市場も影響」

 

養成校に入って介護福祉士を目指す日本人が減り続けている要因は社会的な評価や賃金の低さだ。いわゆる「3K」のイメージばかりが先行しており、介護の魅力が十分に理解されていないという声もある。
 
「専門的な技術・知識を体系的にきちっと教えるのが養成校。そこで学ぶ人が少なくなっていくことは、サービスの質を維持・向上させていくうえで大きな問題となる」。日本介護福祉士養成施設協会の担当者はそう警鐘を鳴らす。「今後は現場を牽引するリーダーシップやマネジメント力を備えた優秀な人材が多く必要。そうした方向性と現状は逆行しており非常に危惧している」と話している。
 
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「どの産業も人手不足の状態にあり、就活が“売り手市場”になっていることも大きい。低賃金でイメージの悪い介護職を選ぶ高校生はさらに減ってしまった。親や教師が他の道を勧めるケースがますます増えている」と分析。「介護職の処遇改善に引き続き努めつつ、養成校に通う学生に対する支援を抜本的に強化すべき。既存の補助制度は不十分。自己負担を一切せずに卒業できるくらいまで拡充しないと効果は出ない」と主張した。
 
加えて、「外国から多くの留学生に来てもらうのはいいことだが、日本で5年も働けば母国に帰ってしまう人も少なくないだろう。将来もずっとこの国で介護サービスを担ってくれるのはごく一部にとどまるのではないか」と指摘。「専門性の高い介護福祉士は現場の中核となる不可欠な存在。これから求められる人材を多く確保していくためには、やはり日本人の学生を増やしていくことも重要」としている。

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