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《 2018.8.23 》

介護福祉士8万円賃上げ、知事会も対象職種の拡大を要請 ケアマネや看護師も


介護従事者全体の処遇改善を。
 
来年10月に実施されるベテラン介護福祉士を中心とした賃上げについて、全国知事会はそう訴えている。20日に厚生労働省へ要望書を提出。資格を持たない介護職員やホームヘルパーだけでなく、ケアマネジャーや看護師、栄養士なども対象にするよう促した。
 
介護人材確保対策の抜本強化に向けた提言
 
来年10月の賃上げをめぐっては、特養の経営者らでつくる「全国老人福祉施設協議会」も職種の範囲を広げるべきと主張している。「現場ではチームケアが進められており、介護職員だけに限定すると不公平感が強まってしまう」と警鐘を鳴らす。また日本看護協会も、介護保険の世界で働く看護師を除外すべきではないという。「介護施設の賃金は病院よりも低い。看護師の介護領域への移動がなかなか進まない」などと働きかけている。
 
全国知事会もこれらと同様のスタンスをとった形。有力団体の間で“職種拡大”を求める声が強まっている。
 
来年10月の賃上げはもともと、深刻な介護職員の不足を解消する方策として出てきたもの。勤続10年以上の介護福祉士を対象に月額の平均で8万円相当の賃上げを行う − 。これを算定根拠として、消費増税で新たに得るリソースから毎年およそ1000億円の費用を投じる構想だ。
 
政府は「柔軟な運用を認める」としており、対象とする職種の範囲を明確に定めていない。ケアマネや看護師にまで広げるデメリットもある。財源のスケールが既に決められている(およそ1000億円)ため、1人あたりの賃上げの幅が小さくなることだ。介護職員を確保する効果が薄れかねないため、今後のプロセスでは異論も噴出するとみられる。
 
厚労省は今秋から審議会で議論を本格化させる。俎上に載っている具体策の中で有力なのは、介護報酬の「処遇改善加算」を拡充する案だ。ケアマネや看護師も対象に含めるとなると、別の新たな手立てや要件の緩和が必要となる。政府は年内に方針を固める予定。
 

 認定介護福祉士に報酬を

 

全国知事会は要望書で、より高度な知識・技術やサービスマネジメントなどを学んだ「認定介護福祉士」にも言及した。キャリアアップの道筋を築く観点から、「認定介護福祉士を法的に位置づけ、人材配置に係る介護報酬上の評価を行うこと」と求めている。
 
認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格として構想されたが、医師会などから反発を受けて研修制度にとどまった経緯がある。厚労省は現場のリーダーとなる質の高い人材を育てていく考えを示しているが、未だにその位置づけを曖昧にしたまま有効に活かせていない。

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