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《 2018.8.21 》

介護福祉士8万円賃上げ、老施協が対象職種の拡大を主張 事業者の裁量権を要求


特養の経営者らでつくる「全国老人福祉施設協議会」が20日までに、介護人材の確保に向けた対策の強化を柱とする要望書を厚生労働省へ提出した。今月末に財務省へ出す来年度予算案の概算要求に反映するよう促している。
 
平成31年度予算概算要求・税制改正について(要望)
 
来年10月に実施される予定のベテラン介護福祉士を中心とした賃上げに言及。国が検討している「処遇改善加算」の拡充によって具現化する案について、実際に提案があれば受け入れる構えをみせた。そのうえで、対象とする職種を広げて介護職員以外も加えるべきだと主張。事業者が個々の施設・事業所の実情を勘案し、裁量をもって加算分の振り分けを決められるようにして欲しいと注文した形だ。
 
来年10月の賃上げは、消費税率の10%への引き上げによって新たに得られるリソースを使って行われる。政府は昨年12月、増収分から毎年およそ1000億円の費用を投じて実現すると約束した。主な対象は勤続年数が10年以上の介護福祉士だ。長く現場を支えている専門性の高い人材を優遇することで、キャリアアップの道筋を分かりやすくしたり離職を防いだりする狙いがある。
 
厚労省は具体的な手法を年内に固める方針。処遇改善加算を拡充する案は有力な選択肢といえる。議論は審議会で今秋から本格化する見通し。そこで大きな焦点となるのが対象者の範囲だ。政府は「柔軟な運用を認める」としており、
 
○「勤続10年以上」という要件のディテールをどう設定するのか?
 
○ 介護職員以外の職種も含めることを容認するのか?
 
などが注目されている。
 

「不公平感がないように」

 

老施協は今回、処遇改善加算の拡充に踏み切るなら対象職種を広げるべきだと意見した。取材に応じた担当者は、「現場では他職種によるチームケアが進められている。介護職員だけに限定すると不公平感が強まってしまう」と指摘。それぞれの現場の実情をよく知る事業者に裁量権を与え、その判断に委ねるべきだという。
 
対象職種をめぐっては、日本看護協会が介護保険のサービスを担う看護職員も含めるべきだと国に訴えており、有力団体が相次いで拡大を求める構図となっている。ただし、充当される財源の上限(毎年およそ1000億円)は既に決められており、対象が増えれば1人あたりの賃上げ幅は小さくなってしまう。施策のインパクトが弱まると介護職員からみた魅力も薄れるため、今後のプロセスでは異論も噴出しそうだ。

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